『風の谷のナウシカ』 宮崎駿 [ヨミモノとか]
アニメで観たことしかなかった『風の谷のナウシカ』のマンガ版をお友達から借りました。
#内容にちょっとネタバレあり。
アニメ版のナウシカは、2巻までのお話をうまい按配にまとめてある感じ。
登場人物に大きな違いはないものの、敵役として出てくるクシャナ(ナウシカの敵として出てくる女性将軍)には重いバックグラウンドがあるし、ユパさまの運命はアニメ版と全然違うし、腐海の生まれた意味とか世界の成り立ちとか、もっともっとずーーーっと深い。
宮崎駿がナウシカで伝えたかったことを理解するには、アニメ版では無理。とはいえ、マンガ版、後半がかなり難しい・・・。一気に7巻読んでしまったので、もう一回読まないとちゃんと理解できなさそうです。。。
虚像(メディア)の砦 真山 仁 [ヨミモノとか]
ダンナちゃん文庫?引き続き読んでます。
ハゲタカの作者、真山仁の2007年の作品。
読んでいれば、ある特定のテレビ局やら事件やら人物やらを思い描くことができるので、背景には現実に起きた・存在するものを背景に描かれていることが一目瞭然。
テレビ局の実情がこういうふうなのかは、実際に勤めている人じゃないと分からないと思うのですが、やっぱり放送業界って一般企業とは違うのかなあ、というのが感想。いろんなしがらみがあって大変だなー、みたいな。
報道・番組は視聴者のものというのは建前で、彼らもビジネスなのだから儲かるとか自社の発展のためとか、そういったもののために企業活動をしているわけで、 正義を振りかざしてるだけじゃ進みませんよねえ。
そういうところは一般企業と一緒かなあー。
読んだ本いろいろ [ヨミモノとか]
ダンナちゃんが日本出張でたくさん本を買ってきてくれました。
いそいそと読書中。
桐野夏生「アンボス・ムンドス」
7編からなる短編集。女性の奥底に描く毒性を描いた作品、との書評。
この人の小説って、読んでいると濃い紫色を思い出す。女性の心の闇を抉り出すようなテーマと話運びは圧巻と思うが、どちらかというと闇を露呈するきっかけは男性が多く、(色恋には規定しない)男女の立ち位置、といった感じを受ける。
でも、ちょっと心に引っかかる感じだけど、かつ、後味悪くなくこういったお話が書けるのは、桐野夏生しか思いつかない。
山田悠介「×ゲーム」
新しいかと思ったら2007年出版の本だった。
「リアル鬼ごっこ」を読んでから、ちょっと敬遠していた作家さん。(だって、バトルロワイヤルのB級品みたいだったんだもん)
かつて、いじめを受けていた少女がいじめられっこと担任教師に次々と襲い掛かる・・・。といった内容。乙一を髣髴とさせるような描写がちらりと垣間見える。最後にちょっとびっくりのおまけ的エピソードが添えられていたが、破壊的な残虐性とか目を覆いたくなるようなおぞましさとかがかなり中途半端な気が・・・。(乙一はそのあたりが秀逸)
もう読まないかなー。この人の作品は。
海道尊「ナイチンゲールの沈黙」
『チーム・バチスタの栄光』の続編。
「チーム・・・」がかなり面白かっただけに結構期待して読んだけど、話の主線がいくつかあって、ちょっとグダグダ感あり。「続きが気になって一気に読んでしまう」という点では面白い。
『ジェネラル・ルージュの凱旋』という更なる続編が刊行されているらしいので、そっちも読んでみたいかと思います。
まだまだ読んでない本が山積み~。でも、やることもたくさん~。時間が足りない(笑)。
伊坂幸太郎「グラスホッパー」 [ヨミモノとか]
先日日本から届いた、伊坂幸太郎「グラスホッパー」を。
鈴木・鯨・蝉の3人を主軸にして、最後に向かって物語が一つに向かって盛り上がっていく。題名の「グラスホッパー」は途中で「押し屋」こと「槿」が虫の突然変異をたとえに人間が密生して生活していることの危険性を話した場面からきているんだけど、最後に生き残る人を考えると作者が何を伝えたかったのか良く分からなくなる・・・。
そして、最後の場面。
回送電車がいつまでも終わらない・・・。ってことは?!あの人も?!みたいな。
アンダーグラウンドの世界は現実に存在しているんだろうし、こういった登場人物も世の中にいるんだろうけども、自分の常識とか尺度から離れたことが普通として語られると、平衡感覚を失ったような何とも不安定な気持ちになってしまう。
ということで、晴れた日の屋外とかで読まないとキケン(笑)。
ダンナちゃんがいなくて暇なので一日で読んでしまった。いかん。